育休中に、「何か資格を取ろうかな?」と考える方も、多いと思います。
もし育休明けに転職したくなったり、育休を取得したものの、そのまま仕事を辞めたくなったりした時に、社会保険労務士のような高難易度の資格を持っていれば、転職や就職に有利かも?と思いますよね。
また、引き続き会社で働くにしても、ブランクのある1年を、資格で若干穴埋めできないか…なんて考えたり。
では、本当に育休中に社労士の資格は取れるのか?
その資格は活きるのか?
実際に社労士資格を取得した管理人が思うことや、女性社労士に話を聞いたことをまとめました。
目次
育休中の勉強で社労士の資格は取得可能。
まず最初に、育休中に社労士の資格を取得することは、可能です。
社労士試験の標準学習期間は10か月〜1年程度といわれています。
時間でいうと、800~1,000時間が独学での平均時間と言われており、通信講座などでも、最低500時間以上の学習を推奨しています。
(ただし、法学部出身だったり、仕事で関連業務に従事していた方は、半年程度で合格したりもします。)
1年間毎日勉強するとすると、1か月あたり42時間程度。
毎日勉強するとすれば、1日1時間半以下の勉強で合格基準に達することになります。
産前の休暇中にまとめて勉強時間をとることができれば、十分確保出来る勉強時間だと思いませんか?
また、半年しか学習期間がなくても、1日3時間程度と考えると、決して不可能な時間ではありません。
家族のサポートだったり、赤ちゃんの気質に左右されるので、あくまで一般論にはなりますが、育休が1年だと仮定すると「頑張れば育休中に社労士資格を取得できるレベルに達することは可能」ということになります。
(試験自体が8月にしかないので、育休中に取れるかどうかは運次第ですね。)
社労士、行政書士、司法書士…女性に向いているのは?
社労士資格の学習を考えている方は、他に行政書士、司法書士などの資格の取得も考えたりするのではないでしょうか?
そこで、各資格と社労士を比較してみましょう。
行政書士と社労士資格、どちらが女性に向いている?
まず、一番比較されることが多いであろう行政書士は、おすすめしません。
難易度的には、同ランクから、やや社労士が難しいというレベルですが、学ぶ内容は全く違います。
行政書士の試験では、憲法、行政法、民法などの法令科目や、政治・経済・社会などの一般常識を幅広く問われます。
一方、社会保険労務士では、社会保障に関する法律を問われます。
社労士資格の学習内容は、年金、労働基準法、など、自分の生活や総務部の業務に深く関わるものであり、その学習した知識を活かせる場所が多いのですが、行政書士の資格は「資格を取るための勉強」であり、実務に活かせることが、社労士に比べてはるかに少ないです。
ですので、行政書士資格を取得していれば、例えば転職などの場で「ある程度の学力及び法的知識があり、努力ができる人なのだな」と試験官に印象付けることができますが、それ以上でもそれ以下でもありません。
また、行政書士は大手の事務所がとても少なく、個人で開業している方が多いので、「行政書士事務所で働く」にしても、完全なパート事務員しか求めていないことが多いです。
その点、社労士事務所は大手も多く、「社労士資格取得者及び受験生」は優遇されたり、給料も上がることが多いです。将来独立するための基礎知識も事務所で身につけることができます。
司法書士と社会保険労務士、どちらが女性に向いている?
女性向けの士業として、司法書士も有名ですね。
ただ、難易度が社会保険労務士とは全く違います。その差は歴然。
司法書士試験の平均学習期間は5年以上といわれています。それでも合格率は3%前後。
最難関といわれる司法試験に匹敵するほど難しい試験ですので、育休中の勉強だけでは、合格はほぼ不可能でしょう。
また、学習するのも民法や商法、民事訴訟法などの法律科目なので、途中で合格を諦めて社労士資格に切り替えることも難しいです。
以上より、この3資格を比べるなら、社会保険労務士資格が一番育休中の女性が学習するのにおすすめの資格といえます。
育休中に取った社労士の資格の活かし方
せっかく苦労して資格を取得しても、実際に活かせないのでは意味がないですよね。
社労士試験に合格したとして、どのようにその資格は活かせるのか?
答えは3通り考えられます。
職場で総務部に異動する
総務部では社労士試験の勉強内容が直結する業務も多数ありますので、知識を活かして働くことができます。
総務部で実務経験を積めば、求人も多く、今後転職活動をしたくなった時にも、即戦力として、雇用されるチャンスが増えます。
総務経験+社労士資格は本当に大きな転職の武器になることは、ちょっと求人サイトをのぞいてみればわかると思いますし、育休中に資格をとる女性にとってもかなり魅力的だと思います。
転職で総務部に採用される
総務部は、転職先として人気があるのですが、総務部で人材を募集する会社は、総務経験のある人材を募集していることが多く、総務経験なしの方にとっては、ややハードルの高い転職となります。
しかし、社労士資格を取得していることで、ハードルを突破しやすくなります。
資格を取得していることで、やる気と学習能力も証明できますので、採用のチャンスが生まれます。
社労士事務所で働く
社労士事務所は大手も多く、社労士資格の受験生や、資格取得者は事務員として重宝されます。
事務所によっては、社労士として、育ててくれるところも多いです。
事務員として働いたとしても、その後上記のように総務職への転職もしやすくなりますし、社労士見習いとして働ける場合には、将来社労士として独立する道も開けます。
見習いの社労士だと、年収は600万円程度で頭打ちの場合も多く、多く稼ぐためには独立も視野に入れなければなりませんが、女性が育児と両立しながら働く分には、十分な金額とも考えられます。
独立は簡単ではありませんが、きちんと経験を積んでいけば、決して夢物語ではありませんし、大きく稼ぐチャンスもあり、ぜひチャレンジして欲しいと思います。
女性に社労士は向いていると思う理由
社会保険労務士は、士業の中で、最も女性が多いものの一つです。
その理由として、
- 総務部で働いて担当部署にいるのが女性であることが多い
- 試験が暗記型で、コツコツと努力を続けられる人が合格しやすい
ことが挙げられますが、その他に、
- 社労士には「事務処理能力と人の話を聞く能力」が必要
だからです。
士業というと、他人にアドバイスをしたりするからしゃべるのが上手でないといけないというイメージがあるかもしれませんが、こと社会保険労務士に至っては特に、「相手の会社の状況をよく知る」ことが必要です。
会社の「人」の部分に関わる仕事ですので、その様子は一つ一つの会社により全く異なります。
きちんと、その会社の従業員などの状況を把握し、その会社に適したアドバイスをすることは、聞き上手でなければできません。
資格の取得前は、「アドバイスなんか難しそう…」と思うでしょうが、きちんと法律知識を身につけて、相手の状況に適切な法律を示す、それだけです。
決して、特別な能力がないとできない仕事ではありませんよ。
資格取得は効率的に。育休中のおすすめは通信講座での学習。
社労士試験は難易度の高い試験です。
法改正も多い上に法改正情報が重要だったり、1発で全科目で足きり以上の得点を取り、合格を狙わないとならず、2年目になると覚える内容が変わっていたりと、独学とは相性の悪い資格試験でもあります。
また、育児と両立しようとすると、どうしても細切れの学習になるもの。
ですので、通信講座の中でも、ユーキャンのように「テキストだけの学習」になるものより、フォーサイトなどのように「動画を併用」した授業がおすすめ。
動画授業があれば、家事をしながら耳から学習することも可能です。
赤ちゃんを育てていると、手はふさがっているけど、耳は空いていることって多いですよね?
授乳中、寝かしつけの抱っこ中…この時間を利用しましょう。
また、洗濯中や、料理中も、耳から学ぶことは可能です。
さらに、これはフォーサイトの場合ですが、スマホやタブレットで問題を解くことも可能ですので、授乳中に問題演習…なんてこともできますよ!
おすすめの通信講座のランキング記事はこちら(おすすめの社労士通信講座:比較ランキング。口コミ評判を合格者の管理人がまとめました。)です。参考にしてくださいね。